読んだ

グロテスク 上 (文春文庫)

グロテスク 下 (文春文庫)

泉鏡花文学賞受賞作品。ハードカバーで出版されたときに買おうと思ったんだけど、文庫まで待ってみた。
東電会社員の事件はかなりのインパクトだったしな。。。
主人公らしき「わたし」。「わたし」の恐ろしいほどに美貌の妹百合子（想像力貧困でそんな美貌の女性が頭に浮かばない）、そして努力家な不細工佐藤和恵。＆エリート人生から宗教へはまったミツル。
3人が3様の悩み、劣等感を抱え生きている。3人とも苦手だ。周りにいたらお近づきになりたくないタイプ。一番リアルなのは和恵かなー。精神的不安定をさらに不安定な糸で保っている・・・そんな感じ。
前半は「わたし」の語りとユリコの手記。二人の語る内容が違うので読者は気持ち悪い印象を持って、後半へ。
後半はいきなりユリコを殺した犯人である中国人の語り。そして・・・
あー、後半の後半は和恵の話なんだけど私の苦手分野でした。はい。
桐野さんの筆力で上下2冊はあっという間に読み終わる・・・だがしかし、精神的グロテスク。気持ち悪くてしかたない。というよりも不安かな。やはりどの登場人物にも肩入れできないと気持ち悪いな。。。